犬の酸素室|わが家での使い方と工夫
10歳で僧帽弁閉鎖不全症と診断されたウディ。症状の少ない段階から始まり、肺水腫、投薬、手術を経て、今もケアは続いています(2026年5月現在は12歳)。
肺水腫をきっかけに、自宅で酸素室を導入した経緯と、選び方や違いなどは下記の記事にまとめています。
本記事では、実際に使っているものを紹介しています(アフィリエイトリンクを含みます)
酸素室は”日常使い”で慣らしていく
まず、本記事でいう「酸素室」とは、酸素ハウスと高濃度発生器の2つをまとめた呼称。セットで使います。

わが家の場合、最初は上の写真にある健康増進用の酸素発生器を使っていて、途中から24時間使える機器を導入しました。

導入のくわしい経緯や各機器の違いについてはこちらに書きました↓

わが家では、ウディの症状がまだ軽い間は、
- 起床後
- 就寝前
- 外出後
それぞれ15〜20分ほど酸素タイムをとっていました。濃度も35%より低くし、27〜30%程度にとどめるようにして。

かかりつけ医からは「そんな使い方もあるのね」と言われました。そもそもが健康増進目的の高濃度酸素発生器ということもあり、毎日ちょっとずつ、を繰り返して体が強くなればという思いもありました
深刻な状況下では、酸素室が必須になるので、慣らす意味もありました。
ただ、ぴっちり閉じ込めが必要な酸素ルームにすんなり入っておとなしく過ごすようになるまでが、かなり大変で、苦労しました。
最初にぶつかった「閉じ込められない問題」
ウディは子犬の頃から「ハウス=安全地帯」と教えてきて、ケージの扉を閉めて過ごすことにも慣れていましたし、上から布をすっぽりかけてもリラックスできる子です。
そのウディでも、酸素ハウスはファスナーを閉めようとするとワタワタワタワタして暴れ、落ち着きなく動くので呼吸がどんどん早くなっちゃって、逆に心配に。
- 閉じ込められる
- 酸素音や風(ハウスにチューブから送り込んでいるので)
- 体調の悪さ
この3要素に加え、不安顔の私の緊張感なども伝わるのでしょう。
呼吸困難で苦しい状態でも、酸素ハウスに閉じ込めると、ガリガリファスナーを開けようとして余計に苦しそうで見てられない、ということもありました。
僧帽弁閉鎖不全症は、症状が進むと、咳が増え、呼吸が浅く、早く、おなかの上下も大きくなります。乾いた咳とは違う、湿ったような苦しそうな咳が増えると、わが家では緊張感が高まりました。肺水腫のサインかもしれないと、すぐ相談するようにしていました。
そうなると、利尿剤などでどんどん水分を外に出すことに加え、酸素室は症状緩和にもなります。
そこで、2つの方法を取ることにしました。
わが家の工夫① 手作り酸素マスク

まず、ペットボトルの上部を使って、簡易マスクを作りました。
作り方
- 500ml、筒形ペットボトルの上部をカット
- 切り口をテーピングなどで保護する
- キャップにチューブをねじ込める穴を開ける(キリで少しずつ穴を広げていく)
- キャップをペットボトルに装着し、チューブの先を入れたら完成!
できたら、ハウスにつなげるチューブの先を、マスクにつなげて酸素を送り込めばOK!
注意点は、マスクを口元に当てる前に、酸素計測器で濃度を測ること、です。

マスクに限らず、ハウスでも必ず濃度はチェックし、把握すること。計測器は必需品です
マスクの場合は、密閉空間でもなく密着したかたちでの装着ができないので、出力時の酸素濃度は濃いめにします。空気と混ざり合い、薄まってちょうどいい、くらいの数値です。

IKOUの場合は、出力3〜1(酸素濃度70〜95%)で調整していました。ただ、マスクと口元の距離が遠くなると、出力1(濃度95%)は届きづらくなるので、2〜3にすることが多かったです
ハウスのファスナー閉同様、マスクもかなり警戒し、嫌がります。
急を要さないときは、リラックスして寝ているところ、こんなふうに少し口元から離し、出力2〜1(濃度70〜95%と濃い目)の酸素を流しっぱなしにします。

ハウスなど密閉するよりも弱くなりますが、やらないよりは良い。呼吸が荒いときは、なるべく入れたいので、膝に抱えて顔をちょっと押さえたりして、吸えるようにします
わが家の工夫②出入り自由な酸素ハウス
ハウスに入ることは抵抗ないウディ(ケージ慣れしているため)。
でも、ファスナーを閉じる(密閉状態になる)そぶりを見せると、落ち着きがなくなる。
ということは、もう閉めきらずに「開放」したまま使えばいいんじゃないか、、、?

わが家の酸素ハウスは「天窓」と「正面」と「側面(片側)」がファスナーで開閉できるタイプ↓
という結論に至り、試しに正面を開けてみました。

ウディ、入りました、すんなりと。
そして、落ち着いて寝ています。酸素を出しても、違和感ないみたいで出てきたりしません。
ただ、これだとせっかくの濃い酸素もかなり薄まっちゃうし、高出力で出しつづけるのに電気代やゼオライトの消耗具合も気になります。
そこで、正面扉は開けたまま、薄手の布をかけてみました。


これはいい! ウディの様子を見ながら、布の位置を少しずつ降ろしていけば「閉まる」環境も作れます。
もちろん、布なのでビニール扉よりも密閉性はなくなりますが、酸素測定器で測ったところ、ユニコムの「オキシランドZ-3000」はこの状態でもハウス内35%キープが可能でした。
ポイントは、布を下までぴっちりかけず、左右どちらかでも下側を見せておくこと。
私も様子が見えるし、ウディの警戒も解けます。
- 大判のストールやスカーフ(あまり透けてないもの)
- シーツや布団カバーなど(使い古しをカットしても◎)
- 透けにくい素材、色の布地(かけた時に多少遮光されたほうが寝やすい)
酸素測定器は、扉近辺に置いて濃度の確認も怠りなく。馬力が強いので、布といえど閉め方によっては、濃度が上がりすぎてしまうこともあります。

酸素ハウスの扉を開けて使いたい場合は、医療用よりの機器がおすすめです。長時間でも濃度にぐらつきなく、安定供給で安心でした!
費用や使用感など細かい情報はこちらの記事にまとめてます

結果、酸素ハウスは「正面開放&薄手の布」の工夫でバッチリ対策できました。
ウディも落ち着いて入るようになり、呼吸が辛くなると自分から入って休むようにもなりました。こうなると、ファスナーで閉めても暴れることなく、発作(咳が止まらずあえぐような仕草を見せるとき)になったときは、ビニール扉を閉めても落ち着いてくれました。
ハウスが苦手な場合はどうする?
ハウスに入る習慣がない場合や警戒心が強い子は、まず酸素を入れないかたちで酸素ハウスで過ごすことに慣れさせるのが良いと思います。
酸素ハウスの中で、おやつをあげたり、お気に入りのグッズを一緒に入れる。
それでまず、酸素ハウスで過ごす機会を作り、その時間を少しずつ伸ばしていくと、いつの間にか酸素ハウスが「安心・安全で過ごせるスポット」に変わっていきます。

ケージやハウス、キャリーバッグでおとなしく(リラックスして)いられるしつけを子犬時にしました。最初は出てきたがりますが、根気強く「そこにいるといいことがある」とおやつなどで覚えさせ、ケージ内にいるときは引っ張り出したり、叱ったり、犬にとって嫌なことは絶対にしない、というルールを徹底しました。それは酸素ハウスでも同じです
夏場に気をつけたこと
ビニール扉&密閉仕様の酸素ハウス、高濃度酸素を送り込むことで、湿度が上がります。
ハウス内に温度計と湿度計を設置し、高くなりすぎないように気をつけていますが、夏場はどうしても高くなってしまいます。怖いのが、湿度です。60%超えたところに閉じ込めるのは、体への負担が気になります。
対策としては、
- 天窓を開ける
→半分〜全開にして布を被せる - のれん状にした布を半分くらい引き上げる
→換気を良くするため、ビニール扉を全開にして布も下側を半分くらい開ける - 除湿グッズを使う
→薬剤や電気不使用のアイテム推奨。炭などを置いても - 室温をいつもより下げる
→部屋よりも、ハウス内に合わせて室温調節

前回の記事にも書いた通り、高濃度酸素発生器は排熱時に温風を出します。
冷房をつけている部屋にオキシライドZ-3000クラスの酸素発生器があると、多少なりとも影響があると思います。私は、狭い部屋で冷房と酸素ハウスと酸素発生器を使っていましたが、冷房の効きが悪いと感じました。
稼働音もそこそこ大きいので、酸素発生器だけ部屋の外(廊下)に出し、延長チューブ接続して部屋まで届くようにしました。
夏場はどうしても湿気がこもりますが、湿度対策が結構大変。夏は、心臓への負担も気になる季節なので、食養生も徹底していきました。
まとめ
酸素室は、買えば安心というものではなく、どう使うか、どう慣れてもらうかも大事でした。
ウディの場合は、
- 閉じ込めない
- 出入り自由にする
- 様子を見ながら濃度を調整する
そんな工夫をしながら付き合ってきました。本記事が、これから導入を考えている方のひとつの参考になればうれしいです。
そして次回は、心臓病ケアのもうひとつの柱になった「食養生」について書こうと思います。



